前回のTSDの補足
前回はT(トニック)S(サブドミナント)D(ドミナント)について
やりました。
和音の流れ
全ての和音進行は、T→D→T,T→S→T,T→S→D→Tの3パターンしかありません。
D→S(たとえばソシレ→ファラド)
(ポピュラー音楽ではあります)
ドミナントは絶対トニックに行き、解決します。(よく解決するといいます)ドミナントは不安定で、トニックでホっとするからです。
カデンツのテンプレ
カデンツとは
カデンツというのはイタリア語の音楽用語で2つ意味があって、一つが今ご紹介する終止形のことです。もう一つは、一つの楽器がソロで演奏する部分もカデンツと言います。
譜読みアップ、音楽力アップ、音間違いを減らす、まちがいなしのカデンツテンプレです。
テンプレ①…a部分
前回ご紹介しました。
これは簡単なので、全調移調を挑戦してください。
前にやった、半音ずつ上げていく方法で、楽譜を見ずに音を覚えてください。
手で弾きまくって共通音とか、動く音とかを一つずつ覚えましょう。
テンプレ②…a'部分
こちらも前回ご紹介しました。後半です。
できればこれも全調移調した方がいいです。
このテンプレ②は、テンプレ①をしっかり弾けた後、続きとして練習してください。
TSDTが同じなので、テンプレ①の方が優先順位が高く、簡単です。
テンプレ③下降形a’
このテンプレ③は下降形です。ベースラインがとても重要です。
ちょうちょうの最後も、ちょっと無理やりではありますがこのテンプレに乗せられます。(↓の2小節目、レだからⅡ度の方がいいんですけどね…)
他にも、たくさん合わせられる曲があります。
2小節目の2つ目の和音、ラ♭が結構ぶつかることがあるので(※1)、使えない場合はラドファの次に、テンプレ②のファラレに逃げる方法もあります。それでほとんどは解決します。
合えばきれいに行くし、合わなくてもファラレに逃げたり、他のサブドミナントの和音に逃げたりすればいいのです。
TSDの構造を理解していれば応用力が付いてきます!
(※1)ラがぶつかるというのは…
ラ♭は短調の和音を借りてきた和音(借用和音)なので、ぴったり合う曲は少ないです。
合う例、聖者の行進
2拍子なのでパターン③だと一小節に一つの和音を弾いてください。(パターン②だったら2回ずつですね。)
TSDTの進行のところは、パターン②を当てはめてもパターン③を当てはめてもうまくいきます。
うまくいかない例
森のくまさんの最後
これはパターン③だとラが左のラの♭とかち合って濁ってしまいます。きつい音がなると思います。(笑)
なのでこの場合はパターン②を弾くか、パターン③の最初の三つの和音を弾いて、4つ目の和音をパターン②のファラレを弾くか、で合うと思います。(4つ目の和音を減七という手もあります、ちなみにファ♯ラドミ♭です。)
減七もきれいに行く方法です。コードでいうとディミニッシュです。またおいおい説明します。
また、3つ目の和音。ラに対してラドファはあんまり使わないです。ほんとはファラドの方がいいのです。これもまたおいおい説明していきたいと思います。
→つまり、この森のくまさんの最後の和音進行は、パターン②が最適です。SをⅣ度(ファラド)にして、その前に4度の属七をはさむとさらに最適です。(ドミソシ♭)
(Ⅱ度、Ⅱ度の属七はドに♯はメロディー的に変だから使えない)
最適和音
ドミソ→ドソシ♭→ファラド→ファラレ→ソドミ→ソレファ→ドミ
(ファラドをファ#ラドミ♭に変えてもいい)
まとめ
まだまだ、和音のテンプレはあります。ちょっとずつご紹介します。
数学の公式と同じで、知っていたら便利で、使いやすいです。
引き出しが多い方が、作曲するにしても、和音をつけるにしても普通にピアノ曲を弾くにしても、理解しながら作ったり演奏できるので強みです。
作曲をしていていっつも同じコードになるという方なら、テンプレで作ってみたり工夫することでちょっと変えられます。
今回は、基本の基本の3パターンをご紹介しましたので、他に思いついた曲、今やっている曲でもこのテンプレ使って和音付けられるかな~と試していただければ嬉しいです。
それでは、次回をお楽しみに。